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[コース06] 桜井均のドキュメンタリー学校 Part6

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商品コード:21321021110592
税込 1,500
45 ポイント

コース: 桜井均のドキュメンタリー学校 Part6

曜日:土曜日 原則隔週
時間:14:00-16:00
開催方法:オンライン &オフライン(会場)開催
-オンライン定員:50名
-オフライン定員:10名
あめにてぃCAFE・梨の木舎 https://goo.gl/maps/8taDBKmNVk22J3BP9
講師:桜井均 内海愛子ほか
コーディネーター:
千葉花子(聖公会大修士課程)

タイトル:桜井均のドキュメンタリー学校 Part6

概要:アジア太平洋戦争に総動員された日本人(植民地出身者も含む)は、なんらかの形で現地の人びとに対して、残忍な暴力を振るい、持続的な抑圧、略奪を行なった。したがって、戦犯受刑者であれ、戦争協力者であれ、なんらかのかたちで戦争責任がある。しかし、サンフランシスコ講和条約を境に、日本人は戦争責任についてつき詰めて問うことはしてこなかった。このコースでは、戦後の歴史に埋もれてきた戦争協力の実態とその責任の取り方について、いくつかの戦犯裁判に焦点をあてて考えてみたい。

◆第1回: 戦争責任を引き受けるということ
映像:「あえて出所を望まず」(フィリピン裁判被告 中田善秋)

開催日:2022年3月19日(土)14:00-16:00
講師:桜井均、内海愛子
概要:外務省が開示を進める資料のなかに、フィリピンにおけるBC級裁判で30年の重労働の刑を言い渡された戦犯中田善秋の記録があった。はじめ彼は冤罪を訴えていたが、やがて、自分が日本人であることが現地のフィリピン人にとっては抑圧者であったことに気づき、刑に服する決心をした。釈放を言い渡されて多くの日本人は歓び帰国したが、中田はあえて出所を望まなかった。自らは手を汚していなくとも、日本と被占領国との関係の圧倒的な違いを自覚することによって、戦争責任の重さを自覚した人物がいた。このことから、現在の私たちは何を考えなければならないのか。

◆第2回 非戦闘員を殺害する罪が裁かれる
映像:罪に向き合うとき(クアラルンプール裁判)

開催日:2022年4月2日(土 )14:00-16:00
講師:内海愛子、大森淳郎
概要:陸軍少尉だった橋本忠は、マレーシアのスンガイルイ村で住民300人余りを殺害した罪を問われ、クアラルンプールで処刑された。忠の甥和正さんが忠の裁判記録と向き合ってきた。「遺族として、無実を信じたいと思う。しかし、つらいけれども真実に向き合わなければならない・・・」1942年3月、マレー人が中国系住民に殺害された。マレーシアで治安維持にあたっていた忠は、中国人の掃討作戦を行ない銃殺または焼き殺した。非戦闘員に対する残虐行為に対してはもっとも重い刑を言い渡された。何が裁かれたのかを考える。

◆第3回 植民地出身者が引き受けた戦争責任
映像:ある朝鮮人戦犯の遺書(シンガポール裁判)

開催日:2022年4月16日(土)14:00-16:00 
講師:桜井均、内海愛子
概要:戦時下の植民地の人々に、自分の運命を決める自由はなかった。徴兵されるよりは、軍属として南方の捕虜監視員になることを選んだ若者たちが、戦況が悪化し、食糧・医薬品が不足するなかで日本軍の「戦陣訓」に従って捕虜たちを厳しく扱った。それが虐待を禁じるジュネーブ条約違反の罪に問われ、死刑を含む重罪に問われた。死刑を免れた者は日本のスガモプリズンに収監されたが、サンフランシスコ条約により「第三国人」として、無権利のまま日本社会に放り出された。彼らは日本からも朝鮮からも見放された。若くしてシンガポールで処刑されたチョウ・ムンサンが書いた遺書を手掛かりに、植民地主義の闇に葬られた人々への責任について考える。

◆第4回 戦犯たちは何を引き受けたのか
映像:戦犯たちの告白(撫順・太原戦犯裁判)
開催日:2022年4月30日(土)14:00-16:00
講師:桜井均、内海愛子
概要:中国人に対する暴力や虐殺などの事件を起こした日本軍将兵は、撫順・太原の戦犯管理所で教育を受け、戦争に対する反省をし、日本に帰ってきた。彼らは中国帰還者連絡会をつくり、戦争の残酷さ、その罪の重さについて日本社会で発言してきた。1989年、昭和天皇死去を機会に、メンバーの人々が、勇気をもって自分たちが戦争犯罪を犯した中国の現地を訪問した。しかし、中国人は彼らの謝罪を受け入れなかった。(そのうちの二人が2000年12月の女性国際戦犯法廷で、従軍慰安婦に対して行なった事実と責任を証言した。)

◆第5回 「悪魔」と化した医学者たち
映像:731部隊の真実(ハバロフスク裁判)

開催日:2022年5月14日(土)14:00-16:00
講師:桜井均、内海愛子
概要:中国人に対して人体実験、生体解剖などを行なった731部隊は、東京裁判でも裁かれることなく、歴史の闇に葬られてきた。実験結果を入手するために、アメリカは部隊幹部を訴追しなかったと言われる。旧ソ連のハバロフスクで開かれた法廷の記録が明らかにならなかった頃には、『悪魔の飽食』の著者森村誠一が裁判で敗訴していた。ソ連邦の崩壊を機に大量の史料が公開された中に、ハバロフスク裁判の記録が含まれていた。その中には、自らの罪を認める証言をし、服役後、帰国を前にして自ら命を絶った軍医もいた。

◆第6回 生体解剖はなぜ止められなかったのか
映像:「仕方がない」では済まない罪(横浜裁判)   

開催日:2022年5月28日(土 )14:00-16:00
講師:桜井均、内海愛子
概要: 九州大学における生体実験がどのような状況で行なわれたのか。そのとき事件の渦中にいた一人の医師が、戦後、自らが犯した罪について書き綴っていた。のちにその姪が研究者として医師に関するルポルタージュを書き上げた。その中に、あるライターが「戦争中だったのだから仕方がなかったのではないですか」と問うと、医師は言下に「仕方がなかったと言うてはいかんのです」と答えたという。そして、去年このルポを書いた研究者の息子(NHKプロデューサー)が、ドラマ化した。戦争責任を個人が引き受けることはどういうことなのか。国家の責任はどこにあるのか。戦争協力と責任の取り方について考える。
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