【イタリア産】100g
元々は名前の通りローマ近郊で盛んに作られていましたが、現在ではローマを州都とするラッツィオ州で生産されているのは、わずかに1%程度。生産の主流は、大都会となったローマから、羊たちがのびのびと暮らせる自然豊かなサルデーニャ島に移り、シェアは98%以上となっております。
ペコリーノ・ロマーノと言えば、〝調味料〟のイメージが強いですが、かつては、長期の保存が可能なように、現在のものよりさらに塩気が強かったようです。他のチーズに比べると確かに塩味はしっかりしてますが、そのまま食べても羊乳らしい風味とミルクのコクにあふれて、美味しいです。
数種類のチーズを並べたお皿に加えると、素晴らしいバリエーションの一つになります。
同国を代表するパルミジャーノ・レッジャーノ同様、使い道はいろいろ。
ローマ発祥のパスタであるカルボナーラにも、現地では欠かせませんし、青々しいバジルの風味が美味しいジェノベーゼソースにも加えるとより本格的な味わいになります。
イタリアでは、5月の風物詩の一つとして、茹でたそら豆にペコリーノ・ロマーノを削り下ろして、旬を楽しみます。
日本のそら豆は、イタリアのものに比べると大きめですが、もちろん同じように楽しめます。
秋には、蒸したジャガイモに散らしてもピッタリですし、季節に合わせた野菜のサラダの仕上げに、食べ慣れたドレッシングではなく、ペコリーノ・ロマーノをすり下ろしやスライスで散らして、オリーブオイルでシンプルにいただいても、素材の味を引き立ててくれます。
日本にもたくさんの素晴らしい保存食がありますが、各国の伝統的な保存食にも困難を克服する先人たちの英知がつまっています。
どうしたら、このミルクをムダにせず、長く楽しむことができるだろう。どうすれば、この状況を変えられるのだろう、と。
写真のD.O.Pの認証を受けた証しの刻印がくっきり刻まれたブロックは、まるで象牙色の柱のように美しいです⭐
シンプルなヒツジの顔も可愛らしいですね。